リプレイ:三国志X Powerup Kit版
 第2回 呂蒙、荊州を落とし、楽彊、成都へ命からがら帰還す

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第2回 開始時の勢力状況 史実ではこれが蜀最大の版図となった

218年2月12日
孫権からの使者が関羽のもとを訪れた。

使者 「関羽殿にはご令嬢がおられると聞きます。我が主孫権は、ご子息と関羽殿のご令嬢との縁談を望んでおられます。」
関羽 「虎の子を犬の子にやることなどできるか!」

一喝された使者はほうほうの体で退散した。

それと入れ替わるようにして劉備からの使者が訪れた。その内容は「襄陽を攻めるべし」というものであった。

関羽は早速軍団をまとめると、襄陽に攻め寄せたのであった。

曹操軍の援軍、于禁・[广龍]徳を水攻めで破ると、襄陽への包囲をより固くした。
その関羽の元に、孫権軍からの使者がやってきた。
その使者は、病で倒れた呂蒙に代わり江夏の太守となった陸遜のあいさつということであった。

関羽 「陸遜、聞いたことのない名だな。それにあの使者の狼狽振り。その主の器量も知れようと言うものだ」
楽彊 (陸遜・・・どこかで聞いた名だな。確か荊南にいたころだったが・・・)
関平 「父上の勇名は知らぬ者はいませぬからな。それより、[广龍]徳から受けた傷はどうですか?」
関羽 「華佗殿の治療が効いたようだ。よし、襄陽へ総攻めをかけるぞ。江陵から江夏方面の兵をこちらに回すよう伝えよ」
楽彊 「お待ちください。陸遜というもの、私が荊南にいたころ聞いたことがあります。」
関羽 「ほう」
楽彊 「陸家といえば、江南四姓と言われる、江南一帯の名家のひとつ。あなどってはいけませぬ」
関羽 「その孫権は、先日このわしの娘をもらいたいと言ってきたではないか。それほどこのわしを恐れているのだ。あの小倅がどんなに策を弄そうとも一蹴してくれる」
楽彊 「わかりました。将軍がそうおっしゃられるならば、いまはまず、一刻でも早く襄陽を落とすことに神経を注ぎましょう」

関羽殿は確かに歴戦の勇士であり、呂布なき今、最高の武人といっても過言ではないだろう。
だが、それは孫権もよく承知していることなはずだ。その上でこのような策略をめぐらす以上、それなりの算段あってのことに違いない。
関羽殿は少し、自分の腕に過剰に恃みにしているのではなかろうか。

そして、悪い予感は当たった。
呂蒙の策略によって荊州南部の諸城はみな降り、関羽の軍勢は敵中に孤立することになった。
そして、さらには荊州の民を使った呂蒙の降伏勧告に脱走する兵が後を絶たず、麦城に立て篭もるもその包囲は日増しに強まるばかりであった・・・

関羽 「ここは突破して、一度成都へ退きあげるほかあるまい」
関平 「我らでなんとしてでも血路を拓きましょう」
楽彊 「私もお供させていただきます」
関平 「幸い、西の方向は囲みが弱そうで。あそこを突破しましょう」
楽彊 「これだけ周到に策を用いてきた呂蒙のことです。おそらく西には伏兵がいるでしょう。しかし、ほかの方面を破る兵力もこちらには残されておりません。」
関羽 「分かっていても、それに乗らざるを得ないか・・・甘く見すぎていたようだな」

決死の突破を図る関羽たち一行。
しかし、予想通り、孫権の伏兵が待ち構えたいた。

相手は、孫権、虞翻、諸葛瑾、張昭と文官系ばかりだが、いかんせん兵力が多い。
そして、計略が使いにくい。

「パオォォォン」

その戦場に、似つかわしくない音が響いた。

楽彊 「関羽殿・・・・なぜ、象兵・・・・?」

関羽の部隊はなぜか象兵だった。これで突っ込むだけで逃げられないか?
足が遅いからだめか。

孫権 「あの象に乗っているのが関羽か?」
張昭 「そのようですな・・・」
孫権 「目標は、あの象兵部隊ぞ!狙い撃て!」
いい標的だったw
周倉 「関羽殿をお守りしろ!」
張昭 「撹乱と火計で削れ」
関平 「敵はあくまで文官だ。蹴散らすぞ!」

しかし兵力差は覆しようもなく、周倉、関平と次々と兵を失っていく。
そして・・・

 
関羽 「もはやこれまでのようじゃな。楽彊、おぬしはわしといっしょにくるにしてはまだ新参すぎる。成都に帰り、兄者に伝えてくれ。約束を果たせなくてすまぬ、と」
楽彊 「関羽殿。そんな・・・」
関羽 「おまえは生きよ。生きて、ううぉぉぉぉ」
楽彊 「関羽殿、どこです、関羽殿?」
楽彊はついに、はぐれてしまった。
楽彊 「ええい、不甲斐ない!生きてやる。生きて関羽殿の無念を晴らしてやるぞ!!」

そういえば、欧陽春はどうなったのであろうか。江陵で捕らえられたか・・・


3月25日
その道中のことはほとんど覚えていない。
楽彊はやっとのことで成都へ戻ることができたのであった。

衛兵 「あやしい奴。とまれ!」
こんなぼろぼろの身なりをしていたら怪しまれても仕方ないか・・・
楽彊 「あやしいものではない。江陵から逃げ延びてきたのだ・・・劉備様にお目通り願いたい」
ほどなくして楽彊は劉備の前に案内された。
劉備 「確か、昨年関羽の元に仕えた楽彊だったな。どうしたのだ、その格好は?」
楽彊 「・・・・大変申し上げにくいことですが、江陵が落ちました・・・」
劉備 「廖化から報告は聞いていたが・・・。して、関羽はどうした?」
楽彊 「関羽殿は、おそらく孫権に捕らえられ、生きてはおられないでしょう」
張飛 「そんな・・・うそを申すな!」
楽彊 「張飛殿、手を放してくだされ。うそならば、どんなによいことか」
劉備 「孫権め、許せん・・・許さんぞ!すぐに討伐だ」
諸葛亮 「お待ちください。いまはまだ孫権を討つ時にはありません。本当の敵は別にいるはずです」
劉備 「むむむ・・・分かった。まずは国中に喪を発しよ」
張飛 「兄貴!」
劉備 「張飛、いまはまず、関羽を弔うのだ」

外に出ると、そこには欧陽春がまっていた。

楽彊 「春、無事だったか!」
欧陽春 「なんとか江陵を脱出することができました。こうしてまたお会いできてなんと申し上げたらよいか・・・」
楽彊 「よくぞ生きていた。」
欧陽春 「あなたこそ、よく帰ってきてくれました」
楽彊 「ああ・・・」

分かっていながら、荊州の失陥を止めることができなかった。
関羽殿が亡くなったことも、江陵を失ったことも、あまりにも大きい。
なんとしても、関羽殿の無念を晴らし、荊州を取り戻さなくては・・・

しかし、劉備軍の苦難はこれでは終わらないのだった。


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第2回 あとがき

どうもシリアスっぽい展開で面白くない第2回でした。
三国志で有名なシーンの描写については省いています。
関羽が生き残るパターンも以前やったことあるのですが、
それだと関羽・張飛がいるおかげで、蜀が強いこと・・・
あまり面白くないので、どん底までいってから這い上がるマゾプレイです。
次も三国志どおりの展開で、さらに蜀が落ちて行きます。
乞う、ご期待。

第3回 劉備、夷陵にて大敗を喫し、劉禅、蜀の二代目皇帝となる

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